秋の重ね着入門(9〜11月)

きょうなに着せる?の服装提案は、地域の天気予報と月齢から、その日の服装の目安を毎日算出しています。秋(9〜11月)は1日の中で気温が大きく変わりやすい季節で、「今日は何を着せたらいいのか分かりにくい」と感じる時期でもあります。このページでは、秋の重ね着の考え方と、気温別ガイドや時間帯別の提案の使い方をご紹介します。

秋は朝晩と日中の気温差が大きくなりやすい季節です

気象庁の予報用語解説によれば、「放射冷却」とは地表面の熱が放射によって奪われ気温が下がることをいいます。晴れて風の弱い日の朝は、この放射冷却が起こりやすく、日の出前後にぐっと気温が下がることがあります。一方で日中は日差しで気温が上がるため、朝晩は肌寒く、日中は汗ばむほど暖かい、といった1日の中での気温の振れ幅が大きくなりやすいのが秋の特徴です。

気象庁の予報用語では、1日の最高気温と最低気温の差を「気温の1日の変動幅」と表します。秋はこの差が大きくなりやすいため、日中の気温だけを見て服装を決めると、朝の送り迎えや夕方の帰り道で「思ったより肌寒い」と感じることがあります。

重ね着の基本の考え方

赤ちゃん・子供の重ね着は、肌着・トップス・羽織りの3枚を状況に応じて足したり引いたりする、と考えると調整がしやすくなります。肌着は汗を吸って肌をさらっと保つ役割、トップスは体温を保つ役割、羽織りは朝晩や日陰の冷え込みに応じて着脱する役割、とそれぞれの役割を分けて考えるのがポイントです。

英国のNHS(国民保健サービス)は、新生児向けの解説で、冬の日中の目安として「大人より1枚多く」を挙げています(海外の公的医療機関の情報のため、住宅事情や気候が異なる点にはご留意ください)。月齢が上がってからの大人と比べた枚数は、資料や場面によって目安が分かれます。あわせてNHSは、赤ちゃんは自分で体温調節をするのが上手ではないとも説明しています。

こども家庭庁のサイトに掲載されている保育所向けのガイドライン(厚生労働省作成)は、0〜1歳の発熱の特徴として、体温調節機能が未熟なために外気温や室温、厚着などの影響を受けやすく、体温が簡単に上昇すると説明しています。この特性は「厚着をさせすぎない」という視点でも大切です。秋は油断して着せすぎてしまうと、汗をかいてかえって体を冷やす原因にもなるため、首元や背中の汗ばみを確かめながら、羽織りを1枚脱がせるかどうかを判断するとよいでしょう。

秋の気温と服装ガイドの目安(地域別)

下の表では、それぞれの気温の横に、その気温の日に当サイトが提案する服装の区分を添えています。気象庁の平年値では、9月は名古屋・大阪・広島・松山・福岡・那覇の日最高気温がまだ28℃以上(「真夏・猛暑」の区分)です。10月は「春・秋」から「初夏・初秋」(那覇は平年値28.1℃で、「真夏・猛暑」との境目のすぐ上)、11月は「晩秋・早春」から「春・秋」(札幌は「冬」、那覇は平年値25.0℃で、「夏」との境目ちょうど)のあたりで、同じ秋でも地域によって服装の目安が大きく違います。境目に近い値は、年や日によって隣の区分になることがあります。

秋(9〜11月)の平年の最高・最低気温と服装の区分
地点9月10月11月
札幌最高 22.8℃初夏・初秋最低 14.8℃晩秋・早春最高 16.4℃春・秋最低 8.0℃冬最高 8.7℃冬最低 1.6℃真冬
仙台最高 25.0℃夏最低 18.0℃春・秋最高 19.8℃春・秋最低 11.9℃晩秋・早春最高 14.1℃晩秋・早春最低 5.6℃冬
東京最高 27.5℃夏最低 20.3℃初夏・初秋最高 22.0℃初夏・初秋最低 14.8℃晩秋・早春最高 16.7℃春・秋最低 8.8℃冬
名古屋最高 29.1℃真夏・猛暑最低 21.0℃初夏・初秋最高 23.3℃初夏・初秋最低 14.8℃晩秋・早春最高 17.3℃春・秋最低 8.6℃冬
大阪最高 29.5℃真夏・猛暑最低 21.9℃初夏・初秋最高 23.7℃初夏・初秋最低 16.0℃春・秋最高 17.8℃春・秋最低 10.2℃晩秋・早春
広島最高 29.1℃真夏・猛暑最低 21.1℃初夏・初秋最高 23.7℃初夏・初秋最低 14.9℃晩秋・早春最高 17.7℃春・秋最低 8.9℃冬
松山最高 29.1℃真夏・猛暑最低 21.0℃初夏・初秋最高 23.8℃初夏・初秋最低 15.1℃春・秋最高 18.1℃春・秋最低 9.6℃冬
福岡最高 28.6℃真夏・猛暑最低 21.6℃初夏・初秋最高 23.7℃初夏・初秋最低 16.0℃春・秋最高 18.2℃春・秋最低 10.6℃晩秋・早春
那覇最高 30.6℃真夏・猛暑最低 25.8℃夏最高 28.1℃真夏・猛暑最低 23.5℃初夏・初秋最高 25.0℃夏最低 20.4℃初夏・初秋

気象庁の平年値(日最高気温・日最低気温の月平均)を、風のない日の体感温度とみなして、当サイトの服装の区分に当てはめたものです。当サイトの昼(10〜16時)の欄の体感温度は、1日のピークである最高気温より低くなることが多く、風がある日はさらに下がるため、実際の日中は1つ寒い区分になることがあります。年や日によっても前後します。最低気温は多くが明け方の値で、当サイトの朝の欄の体感温度とは同じではありません。

平年値の出典: 気象庁「過去の気象データ検索」(札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・松山・福岡・那覇)

「真冬」「冬」などの呼び名は、当サイトが体感温度で分けている服装の区分です(暦の季節とは限りません)。区分ごとの具体的な組み合わせは、次の気温別の服装ガイドで見られます。

気温別ガイドと時間帯別提案の使い方

秋は同じ1週間の中でも気温が段々と下がっていくため、そのときの気温に近い気温別ガイドを確認すると、服装を決めやすくなります。気温が下がっていく順に、目安として次のガイドをご覧ください。

いずれのガイドも月齢別の服装の目安を一覧でご紹介していますので、その日の予報気温にあわせて確認してみてください。天気予報で最高気温だけをチェックするのではなく、朝の最低気温も見ておくと、羽織りが必要かどうかを判断しやすくなります。

きょうなに着せる?の服装提案は、屋外でのおでかけを前提に、朝・昼・夜の時間帯ごとの体感温度から服装の目安を出しています。各日のカードの服装は、その日いちばん冷える時間帯に合わせたもので、ほかの時間帯には「◯◯を脱いで」などの調整を添えています。秋のように朝と日中の気温差が大きい日は、朝(7〜9時)の最も低い体感温度が日中より5℃以上低いと見込まれる場合に「朝は日中より最大◯℃低め」という注記を表示し、持ち物に羽織りものを加えるようにしています。

送り迎えなど朝の外出時間が多い方は、日中の欄だけでなく朝の欄もあわせて確認すると、その日の冷え込みの度合いに合わせて羽織りを準備しやすくなります。

月齢別のポイント

秋は、月が進むにつれて「真夏・猛暑」「夏」から「初夏・初秋」「春・秋」「晩秋・早春」へと、服装の区分が移っていきます。移る時期と速さは地域によって違い、ひと月に区分が2つ下がる地点もあります。月齢ごとに、どこで何が切り替わるかをまとめました。

0〜2か月

「夏」(体感25〜28℃)の短肌着・半袖カバーオールから、「初夏・初秋」(体感20〜25℃)で薄手の長袖カバーオール、「春・秋」(体感15〜20℃)で肌着が2枚(短肌着とコンビ肌着)になり長袖カバーオールにおくるみと靴下、「晩秋・早春」(体感10〜15℃)で厚手カバーオールにカーディガンと帽子・靴下・ブランケットへと移っていきます。 0〜2か月の服装ガイド

3〜5か月

「夏」(体感25〜28℃)の半袖ボディ肌着・半袖ロンパースから、「初夏・初秋」(体感20〜25℃)で薄手の長袖ロンパース、「春・秋」(体感15〜20℃)で肌着も長袖ボディ肌着になり長袖ロンパースと靴下、「晩秋・早春」(体感10〜15℃)で厚手ロンパースにカーディガンと帽子・靴下・レッグウォーマーになります。 3〜5か月の服装ガイド

6〜11か月

「夏」(体感25〜28℃)の半袖Tシャツ・ハーフパンツから、「初夏・初秋」(体感20〜25℃)で長袖Tシャツと薄手長ズボン、「春・秋」(体感15〜20℃)で肌着も長袖ボディ肌着になり長ズボンと靴下、「晩秋・早春」(体感10〜15℃)でトレーナーにウィンドブレーカーと帽子になります。 6〜11か月の服装ガイド

1〜3歳(12〜23か月・2〜3歳)

「夏」(体感25〜28℃)の半袖Tシャツ・ハーフパンツから、「初夏・初秋」(体感20〜25℃)で長袖Tシャツ・長ズボンと帽子、「春・秋」(体感15〜20℃)で薄手カーディガン(帽子はなし)、「晩秋・早春」(体感10〜15℃)で肌着も長袖になりトレーナーにウィンドブレーカーと帽子になります。 1〜2歳の服装ガイド・2〜3歳の服装ガイド

4〜6歳

「夏」(体感25〜28℃)の半袖Tシャツ・ハーフパンツと帽子から、「初夏・初秋」(体感20〜25℃)で長袖Tシャツ・長ズボン、「春・秋」(体感15〜20℃)で薄手パーカー、「晩秋・早春」(体感10〜15℃)で肌着も長袖になりトレーナーにウィンドブレーカーになります。 4〜6歳の服装ガイド

室内との気温差も羽織りで調整する

こども家庭庁が示す「保育所における感染症対策ガイドライン」では、保育室環境の目安として室温は冬20〜23℃、湿度60%とされています(保育室向けの目安であり、家庭の室温基準ではありません)。屋外の気温がこの目安より低い日は、室内外を出入りするたびに感じる気温差が大きくなりやすいため、脱ぎ着しやすい羽織りを1枚持っておくと、室内に入るとき・外に出るときのどちらにも対応しやすくなります。

秋の外出でチェックしたいポイント

気温別ガイドや時間帯別の提案で服装の目安が決まったら、あとは当日の様子を見ながら細かく調整するだけです。秋のおでかけ前に、次のようなポイントもあわせてチェックしてみてください。

秋に気をつけたいこと

残暑

気象庁の予報用語では、立秋から秋分までの間の暑さを「残暑」といいます。平年値でも、9月の最高気温が28℃以上の地点があります。当サイトは日中(10〜16時)の体感温度または気温が28℃以上の日に熱中症の注意を表示しますが、日中の値は1日のピークである最高気温より低いことが多いため、平年並みの日でも注意が出ないことがあります。

車内の温度

JAFのテストでは、秋などの比較的過ごしやすい天候でも、日が差すと車内は50℃以上になりました。消費者庁も、子どもは体温調節機能が未発達で体に熱がこもりやすいとして、真夏でなくても車内での熱中症に注意するよう呼びかけています。

暖房を使い始める時期

消費者庁は、朝晩の冷え込みが強くなり暖房器具を使う機会が増える時期に、湯たんぽや電気カーペットでの低温やけど、スチーム式加湿器でのやけどに注意するよう呼びかけています。冬の暖房まわりの注意は冬の服装と暖房と乾燥の季節の服装のページで紹介しています。

晩秋にも暖かい日があります

気象庁の用語では、晩秋から初冬にかけての暖かく穏やかな晴天を「小春日和」と呼びます。季節で決めつけず、その日の提案の体感温度と服装を確かめてください。

出典

よくある質問

秋はいつ頃から服装を見直せばいい?

決まった時期はありませんが、朝晩の最低気温や日中の最高気温を目安にすると判断しやすくなります。気温別ガイド(残暑の30℃・25℃前後から20℃・15℃・10℃前後へ)を確認しながら、気温の下がり方に合わせて羽織りを1枚ずつ足していくとよいでしょう。

朝と日中で服装を分けたほうがいい?

秋は朝と日中の気温差が大きくなりやすい時期です。きょうなに着せる?では朝・昼・夜の時間帯ごとに提案を分けており、朝の体感が日中より大きく下がる見込みの日は「朝は日中より最大◯℃低め」と注記して羽織りを持ち物に加えています。送り迎えなど朝の外出時は、この注記もあわせて確認してみてください。

秋、長袖は何度から着せる?

当サイトの表では、長袖のトップスは日中の体感温度25℃未満(「初夏・初秋」の区分)から全月齢で出てきます(0〜5か月は薄手の長袖カバーオールやロンパース)。肌着が長袖になるのは、3〜11か月が体感20℃未満(「春・秋」の区分)、1歳以上が15℃未満(「晩秋・早春」の区分)からです。0〜2か月は「春・秋」の区分から肌着が2枚になります。

厚着させすぎるとよくない?

こども家庭庁のサイトに掲載されている保育所向けのガイドライン(厚生労働省作成)は、0〜1歳の発熱の特徴として、体温調節機能が未熟なため厚着などの影響を受けやすく、体温が上昇しやすいと説明しています。秋は油断して着せすぎると汗をかいてかえって体を冷やすこともあるため、首元や背中の様子を見ながら調整することをおすすめします。

本記事は医療監修を受けたものではなく、公的機関・学会などが公開している情報と当サイトの提案表の紹介です。お子さまの体調や個別の事情については、かかりつけ医の指示を優先してください。