ベビーカーでおでかけする日の服装
きょうなに着せる?の服装提案は、おでかけ(屋外)を前提に、気温だけでなく体感温度をもとに算出しています。同じおでかけでも、ベビーカーでの移動は抱っこ紐や徒歩とは違った暑さ・寒さの特性があります。座面が地面に近く、体の一部がベビーカーに固定されるぶん、大人が感じている暑さ・寒さがそのまま子供にも当てはまるとは限りません。このページでは、その理由と季節ごとの服装の工夫を、公的機関の公開情報をもとにご紹介します。
ベビーカーの高さは、大人が思うより暑くなりやすい
環境省の実測調査では、子供やベビーカー利用時を想定した高さ50cmと、大人の目線に近い高さ150cmとで暑さ指数(WBGT)を比較したところ、50cmの高さのほうが平均して0.1〜0.3℃高く、風が弱く日射が強い条件では2℃程度高くなった事例も報告されています。暑さ指数は気温そのものではなく、気温・湿度・照り返しなどの輻射熱を組み合わせた熱中症リスクの指標です。天気予報の気温が同じでも、地面に近いベビーカーの高さでは体への熱の負荷が大人より大きくなりやすいということになります。
こども家庭庁も、身長が低い子供は地表面からの熱の影響を受けやすく、大人が暑いと感じているときには子供はさらに高温の環境下にいると説明しています。加えて、子供は体温調節機能や発汗の仕組みが未発達で、体重に対して体表面積が広いぶん外気温の影響も受けやすいとされています。消費者庁の子ども安全メールでも同様に、地面からの照り返しの影響を強く受けやすいこと、体温調節機能が未発達で熱がこもりやすいことが注意喚起されています。
「照り返しで+2〜3℃」の注意表示の理由
きょうなに着せる?では、体感温度または気温の目安が28℃以上になる日に、「ベビーカーは地面の照り返しで+2〜3℃高くなることに注意」という注意書きを表示しています。これは、ここまで見てきた「ベビーカーの高さは地面に近く、照り返しの影響を受けやすい」という特性をふまえたものです。天気予報の気温がそのまま体感というわけではなく、特にベビーカーの高さでは表示されている気温より暑く感じやすい場面があることを踏まえて、日よけや休憩のタイミングを考える参考にしていただければと思います。なお、この注意書きは湿度や地面の素材(アスファルトかどうかなど)までは考慮していない目安である点にもご留意ください。
夏のベビーカーで気をつけたいこと
暑い時期は、日よけのつもりでベビーカー全体を毛布やタオルなどの布で覆うことは避けたほうがよいとされています。英国のNHS(国民保健サービス)は、ベビーカーを毛布で覆うと熱がこもり(overheating)につながる恐れがあると注意を呼びかけており、直射日光を避けるにはパラソルやサンシェードをベビーカーに取り付けることを勧めています。海外の公的医療機関の情報ですが、「風の通り道をふさがない」という考え方は服装や日よけの工夫にも共通する視点です。布1枚で覆うだけの日よけよりも、風を通しながら日陰を作れる道具を選ぶほうが、熱をこもらせずに済みます。
- サンシェードやパラソルで日陰を作りつつ、側面や背面に隙間を残して風が通るようにすると、熱がこもりにくくなります。
- 服装は薄手で通気性のよい素材を選び、汗をかいたときに着替えられるよう1枚多めに持っておくと安心です。
- 直射日光を長く受ける時間帯の移動を避け、日陰でのこまめな休憩を挟むのもひとつの工夫です。
- 顔色や機嫌、汗の様子をこまめに確認し、いつもと違う様子があれば日陰で休ませることを優先してください。
冬のベビーカーは「大人より1枚多め」と風対策
寒い時期は、ベビーカーでじっと座っている時間が長くなるぶん、歩いている大人よりも体感が下がりやすくなります。米国小児科学会(AAP)は、乳幼児の防寒の目安として、同じ環境で大人が着る服装より1枚多く着せることを一般的な目安として紹介しています。ベビーカーに限った目安ではありませんが、じっと座っている状況にも当てはめやすい考え方です。
きょうなに着せる?の体感温度は、気温が低い日ほど風速1m/sごとに体感が約1℃下がるように計算しており、風速がおよそ8m/s以上になるとそれ以上は下がり方が頭打ちになるように扱っています。風を正面から受けやすいベビーカーでは、この体感の下がり方が実感に近くなりやすい場面です。ブランケットやフットマフで足元・おなか回りを保温しつつ、風の強い日は正面からの風を防げるカバーを使うなど、重ね着だけでなく風対策もあわせて考えると調整しやすくなります。
お出かけの時間帯に合わせて服装を確認する
きょうなに着せる?の服装提案は、日中(10〜16時)のおでかけを基準にしつつ、朝・昼・夜の時間帯ごとに服装の目安を示しています。ベビーカーでのおでかけは、午前中の送り迎えのついでや、夕方の散歩など時間もさまざまです。実際に出かける時間に近い時間帯の提案を確認すると、その時間の体感に合わせた服装を選びやすくなります。朝は日中より体感が下がりやすい日もあるため、羽織りを1枚持って出るかどうかの判断材料としても活用できます。
出典
- 環境省 熱中症予防情報サイト「生活の場における暑さ指数について」
- こども家庭庁「みんなで見守り『こどもの熱中症』を防ぎましょう!」
- 消費者庁「子ども安全メール Vol.593 子どもの熱中症対策を心がけましょう!」
- NHS: Keeping your baby safe in the sun
- HealthyChildren.org(米国小児科学会): Cold Weather Safety for Children
よくある質問
暑さ指数(WBGT)と気温はどう違う?
暑さ指数(WBGT)は、気温だけでなく湿度や日射・照り返しなどの熱の要素を組み合わせた、熱中症リスクを表す指標です。環境省の実測調査では、ベビーカーの高さ(50cm)は大人の目線の高さ(150cm)より暑さ指数が平均0.1〜0.3℃高く、条件によっては2℃程度高くなった例もあると報告されています。
夏、ベビーカーを布で覆って日よけにしてもいい?
英国のNHSは、ベビーカーを毛布などの布で覆うと熱がこもりやすくなるとして注意を呼びかけています。日よけには、風の通り道をふさがないパラソルやサンシェードの利用が勧められています。
冬のベビーカーは大人と同じ枚数でいい?
米国小児科学会は、乳幼児の防寒の目安として、大人より1枚多く着せることを一般的な目安として紹介しています。ベビーカーでじっと座っている時間が長い日は、風の当たりやすさも踏まえて調整するとよいでしょう。
本記事は医療監修を受けたものではなく、公的機関・学会が公開している情報の紹介です。お子さまの体調や個別の事情については、かかりつけ医の指示を優先してください。