室内・寝るときの赤ちゃん・子供の服装

きょうなに着せる?の服装提案は、日中のおでかけ(屋外)を前提にしています。室内と就寝時の服装はサイトが計算するものではなく、公的機関・学会の公開情報を編集したものです。出発点は、おでかけ向けの服装提案からアウター(上着)を除いた組み合わせ、というのが編集上の目安です。以下の推奨の多くは1歳未満が対象で、その範囲は最後の見出しで整理します。

室内の温度の目安は、出典によって数字が違います

こども家庭庁(厚生労働省作成)「保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)」は、保育室環境のめやすとして室温は夏26〜28℃・冬20〜23℃、湿度60%を示しています。これは日中の保育室の目安で、就寝時の基準ではありません。NHS(英国)は赤ちゃんの部屋をおよそ16〜20℃に保ち室温計で確認するよう案内し、The Lullaby Trustも暑くなりすぎないための推奨室温に16〜20℃を挙げています。

一方、米国小児科学会(AAP)は具体的な室温の目安を示すことは難しいとしています。環境省の上限28℃も含め対象も文脈も異なる数字なので、平均して一つの正解にはせず、下の表に出典ごとに並べました。

日中の室内の服装: おでかけ提案からアウターを除いた組み合わせが出発点

この出発点は編集上の目安で、公的機関が示した数値ではありません。日中の室内に限って大人と比べた枚数を示した国・学会の資料は見当たらず、室内で国・学会が大人と比べた枚数を書いているのは寝るときについてです。1歳までの赤ちゃんについて、米国小児科学会は大人より1枚を超えて多く着せないよう(上限)、こども家庭庁のCDRポータルは大人が快適に感じる服装にプラス1枚を目安にしていて、オーストラリアの乳幼児の突然死予防に取り組む団体(Red Nose)は、部屋の温度で大人が快適に感じる着方と同じようにとしています。体温調節が未熟な時期の考え方は0〜2か月の服装でもご紹介しています。

屋内に入ったら起こすことになっても帽子と余分な衣類を脱がせ(NHS)、頭から熱を逃がして体温を保つため室内で帽子は不要です(The Lullaby Trust。米国小児科学会も生後数時間とNICUを除き同様)。0〜1歳は体温調節機能が未熟で室温や厚着の影響を受けやすく体温が簡単に上昇し(保育所のガイドライン、発熱の特徴の節)、具合が悪いときもいつもより厚着にしないとされています(The Lullaby Trust)。

寝るときの基本: 1歳になるまでは掛け布団を使わず、着るものと空調で

こども家庭庁は、掛け布団は顔にかかると窒息のリスクがあるとして、1歳になるまでは使わず、スリーパーなどの着るものや空調で調整すると安心だとしています(CDRポータルも同旨)。消費者庁は、使うなら払いのけられる軽いもので顔にかぶらないようにすること、敷布団は硬めのものを使うことを勧めています。

就寝着や重ね着は掛け物より望ましく(米国小児科学会)、スリーピングバッグは寝具の下にもぐり込むのを防ぐので、室温とtogで調整しそれ以外の寝具は使いません(NHS)。避けるのは羽毛布団・キルト(The Lullaby Trust、年齢の限定なし)、重み付きの毛布・スリーパー・おくるみ(米国小児科学会)、毛布を肩より上にすることと二つ折り(NHS)です。

日本小児科学会は、スリーパーなどの代替案が具体的に示されることが望ましいとしつつ安全性のエビデンスは限られ国内の安全基準の確立が急務だとし、掛けぶとんを使わない推奨の対象を月齢2(〜3)から12(〜13)に限定することが望まれる、実施困難なら生後から1歳までとする推奨も否定はされない、としています。こども家庭庁は、これらは予防策であり禁止するものではないと明記しています。

室温の範囲ごとに出典が述べていること(早見表)

The Lullaby Trustは室温と服装・枚数・togの対応表は提供できないと明言し(重ねたものの間にこもる熱で保温性が変わるため)、米国小児科学会も具体的な室温の目安は難しいとしています。枚数の表はどの出典にも帰属できません(品名の例は、The Lullaby Trustが寝るときの室温の範囲ごとに挙げています。16〜20℃なら一体型のベビー服とスリーパーなど)。室温によらず1歳未満を対象に述べられているのは、掛け布団を使わず着るものや空調で調整(こども家庭庁)、大人より1枚を超えて多くしない(米国小児科学会)・プラス1枚が目安(こども家庭庁CDRポータル)、室内で帽子は不要(The Lullaby Trust・米国小児科学会・NHS)、硬めで平坦な寝具でまわりに何も置かない(こども家庭庁・消費者庁・NHS・米国小児科学会)の4点です。

室温この範囲を述べている出典着るもの・寝具について冷暖房・環境について
16℃に届かないときこの範囲を定義した出典なし(The Lullaby Trustの「推奨室温にできないとき」の記述と、NHSの加温器具の記述)推奨室温にできなければ1枚多くすればたいてい足りる(The Lullaby Trust)暖房を一晩中つける必要はめったにない、つけるなら低めで20℃を超えない、寝床を熱源や直射日光のそばに置かない(The Lullaby Trust)。湯たんぽ・電気毛布と一緒に寝かせない(NHS)
16〜20℃NHSの推奨室温「およそ16〜20℃」、The Lullaby Trustの「16〜20℃」、NHSが2.5 togの目安とする室温軽い寝具または軽量で体に合ったスリープバッグで快適(The Lullaby Trust)。NHSは2.5 togの範囲とする室温計で確認する(NHS・The Lullaby Trust)。目安であり赤ちゃんは一人ひとり違う(The Lullaby Trust)
20〜24℃NHSが1.0 togの目安とする室温「暖かい部屋 20〜24℃」。保育室の冬のめやす20〜23℃(こども家庭庁、日中)NHSは1.0 tog(暖かい季節・暖かい部屋)の範囲とする就寝時にこの範囲の冷暖房を述べた出典はありません
24〜27℃NHSが0.5 togの目安とする室温「24〜27℃」。保育室の夏のめやす26〜28℃(こども家庭庁、日中)NHSは0.5 tog(暑い季節)の範囲とする。冷やしにくい部屋では寝具と服を薄く(The Lullaby Trust)安全ならドアと窓を開け、扇風機は直接当てない(The Lullaby Trust)。24℃を下回るほど下げると外気温差で体の負担(環境省・一般向け)
28℃以上環境省「快適に眠れる室温の上限は28℃」(一般向け)寝具での調節は困難(環境省)。肌が熱い・汗ばむなら衣類か寝具を1枚以上減らす(The Lullaby Trust・NHS)冷房で28℃を超えないように(28℃は目安)、気温が下がらない夜は冷房をつけて寝ることも必要、湿度を下げることも重要、高温の影響は成人より幼児で大きい(環境省)。扇風機は直接当てない(The Lullaby Trust)

本表は公的機関・学会の記述を室温の範囲ごとに整理したもので、サイトが室内・就寝の服装を計算するものではありません。

togは英国のスリーピングバッグ製品の保温指標で、NHSが室温の範囲ごとに示している値です。

1歳〜1歳11か月・2〜6歳について室温の範囲ごとの就寝時の服装を述べた出典はありません。推奨は1歳までの乳児を含む研究に基づき(米国小児科学会)、幼児については高温の影響が成人より大きいこと、衣服の着脱を保護者が判断することまでです(環境省)。

暑い・寒いのサインは手足ではなく胸と首の後ろで

NHSとThe Lullaby Trustは、確認は胸か首の後ろに触れて行い、手足が冷たくてもそれは正常、肌が熱い・汗ばむときは衣類か寝具を1枚以上減らすとしています(抱っこ紐のときの服装でも同じ確認方法をご紹介しています)。過熱のサインは発汗・肌の紅潮・胸が触って熱いこと(米国小児科学会)、顔が赤くひどく汗をかいていれば涼しい環境で休息をと述べられています(環境省、熱中症対策の文脈)。過熱はSIDSのリスクを高めうるもので、寝具や衣類が多すぎる・部屋が暑すぎることで起こります(NHS・The Lullaby Trust)。

冬の暖房と夏の冷房: 季節ごとの夜の環境づくり

暖房と加温器具は、上の表の「16℃に届かないとき」の行にThe Lullaby Trust・NHSの記述をまとめています。日本小児科学会は、過度の加温などのリスクが想定されない保温方法が示されることが好ましいとしています。起きている時間の暖房した部屋の服装や加湿器・暖房器具の注意は暖房と乾燥の季節の服装、冬の外の寒さは気温0℃前後の服装もあわせてご覧ください。

熱帯夜の冷房は、上の表の「24〜27℃」「28℃以上」の行にまとめています。環境省は気温があまり下がらない夜には冷房をつけて寝ることも必要だとしていますが、28℃・24℃は乳児向けではなく一般向けの数値です。米国小児科学会は、扇風機をSIDSのリスク低減策として推奨する十分な根拠はないとしています。環境省は、思春期前の子どもは体温調節能力が十分に発達しておらず熱中症のリスクが高いとも述べています。日中の暑さ対策は夏の服装と熱中症対策と気温30℃前後の服装をご覧ください。

おくるみ・安全な寝床・SIDS

米国小児科学会は、寝返りをしようとする兆候を示した場合(通常は3〜4か月、もっと早いことも)、おくるみはもはや適切ではないとしています。日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会も、寝返りを始めそうになったら卒業する、使用中はあおむけに寝かせる、まわりに何も置かない、を注意点に挙げ、寝返りしてから外すのではなく寝返りしそうになったら使用をひかえる行動が必要だとしています。判断は月齢でなく3〜5か月ごろの発達の様子で行います。おくるみをSIDS対策として推奨する根拠はないともされています(米国小児科学会)。

寝床について、こども家庭庁と消費者庁は、1歳になるまではあおむけに寝かせる、硬めで平坦な布団やマットレスを使う、顔を覆ったり首に巻き付いたりするものを置かない、添い寝は危険があるためできるだけベビーベッドで、としています。このうち硬めで平坦な寝床と、まわりに何も置かないことについては、NHS・米国小児科学会も同様に述べています。少なくとも生後6か月までは同じ部屋で寝かせることが勧められています(The Lullaby Trust・NHS)。

こども家庭庁は、SIDSの予防方法は確立していないとしたうえで、あおむけ寝・できるだけ母乳・たばこをやめるの3つでリスクを下げられることが研究で示されているとし、これらは予防策であり禁止するものではないと明記しています。推奨は1歳までの乳児を含む研究に基づくもので(米国小児科学会)、2歳以降の就寝時の服装に目安を示した資料はありません。

出典

よくある質問

室温20度のとき、赤ちゃんの寝るときの服装は?

20℃はNHSの「およそ16〜20℃」、The Lullaby Trustの「16〜20℃」の上端にあたります。The Lullaby Trustは軽い寝具か軽量で体に合ったスリープバッグで快適だとし、NHSはこの室温を2.5 togのスリーピングバッグの範囲としています。1歳になるまでは掛け布団を使わず着るものと空調で調整し(こども家庭庁)、胸か首の後ろで暑すぎないか確認してください。The Lullaby Trustは、16〜20℃なら一体型のベビー服にスリーパー、または薄い毛布をしっかり押し込んで掛ける例を挙げていますが、室温と服・枚数を対応させた表は作れないとしています。

赤ちゃんは寝るとき靴下をはかせたほうがいい?

靴下の要否を述べた公的機関・学会の資料は見当たりません。NHSとThe Lullaby Trustは、赤ちゃんの手足はたいてい冷たく、それは正常だとしたうえで、暑すぎ・寒すぎの確認は胸か首の後ろに触れて行うよう案内しています。手足の冷たさだけで1枚足すかどうかを決めない、という考え方になります。

スリーパーはいつから使える?

開始月齢を示した出典はありません。こども家庭庁は1歳になるまでは掛け布団の代わりにスリーパーなどの着るもので調整するとし、The Lullaby Trustは軽量で体に合ったものを挙げています。日本小児科学会は安全性のエビデンスは限られ国内の安全基準の確立が急務だとし、米国小児科学会は重み付きのスリーパーを眠る乳児の上や近くに置かないとしています。

赤ちゃんの掛け布団はいつから使える?

こども家庭庁は1歳になるまでは掛け布団は使わないとしています。日本小児科学会は、使わない推奨の対象を月齢2(〜3)から12(〜13)に限定することが望まれるとしつつ、実施困難なら生後から1歳までとする推奨も否定はされないとしています。1歳以降は使ってよいと明示した出典はありません。使う場合は払いのけられる軽いもので顔にかぶらないようにとされています(消費者庁)。

おくるみ(スワドル)はいつまで使える?

米国小児科学会は、寝返りをしようとする兆候(通常は3〜4か月、もっと早いことも)が見えたらおくるみはもはや適切ではないとしています。日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会も、寝返りを始めそうになったら卒業する、使用中はあおむけに寝かせる、まわりに何も置かない、を注意点に挙げています。月齢ではなく発達の様子で判断してください。

赤ちゃんが寝る部屋の暖房はつけっぱなしでいい?

The Lullaby Trustは、暖房を一晩中つける必要はめったになく、推奨室温にできない場合は1枚多く着せればたいてい足りるとし、つけるなら低い温度に設定して20℃を超えないようにとしています。NHSは、湯たんぽや電気毛布と一緒に寝かせないこと、寝床を暖房器具や直射日光のそばに置かないことを案内しています。

本記事は医療監修を受けたものではなく、公的機関・学会が公開している情報の紹介です。お子さまの体調や個別の事情については、かかりつけ医の指示を優先してください。